君にちかふ 阿蘇のけむりの絶ゆるとも 万葉集の歌ほろぶとも
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作者
出典
歌集『酒ほがひ』〔明治四三年(1910)〕、後の恋、十二首目
語釈
阿蘇の煙
作者の阿蘇山詠が、石碑になって残っているらしい。
大阿蘇の山の煙はおもしろし 空にのぼりて夏雲となる
阿蘇の煙が絶えることがあろうとも。
あれは不死の薬を焼く煙が、絶えないことをいっているのではあるが。
煙が絶える、すなわち阿蘇山の活動が終わり、活火山から外れるまでの遠い時間をいうのだろう。
21-06-20現在、休火山・死火山という用語は、学術的に廃用になっているようである。
成立は759以後。
日本最古の歌集であり、酒ほがひが刊行されるときには1140年あまりが経過している。
その歌が亡ぶくらい、長い時間が経とうとも。
現代語訳
君に誓う。阿蘇の煙が絶えることがあっても。万葉集の歌が亡んだとしても。